Notebook(ノートブック)の使い方
Kaggleでの作業は、ほぼすべて Notebook の上で行われます。ここを押さえると一気に楽になります。
1. Notebookとは何か
Notebook(ノートブック) とは、
プログラムを「小さなブロック」に分けて、1ブロックずつ実行し、結果をその場で見られるノート
のことです。正式には Jupyter Notebook(ジュピター・ノートブック) という仕組みで、データ分析の世界では完全に標準です。
ふつうのプログラミングとの違いはここです。
| ふつうのプログラム | Notebook |
|---|---|
| ファイル全体を一気に実行 | 1ブロックずつ実行できる |
| 途中経過が見えにくい | 実行するたびに表や図が真下に出る |
| エラーが出たら最初からやり直し | そのブロックだけ直して再実行できる |
データ分析は「ちょっと動かして、結果を見て、考えて、また動かす」の繰り返しなので、この形式が圧倒的に相性がいいのです。
セル(Cell)
ブロックのことを セル と呼びます。2種類あります。
- Code セル:Pythonのプログラムを書く。実行すると下に結果が出る。
- Markdown セル:文章やメモを書く(実行しても何も計算しない)。
2. Notebookを作る
Titanicコンペのページで Code タブ → New Notebook を押すと、Titanicのデータが最初から読み込まれた状態 のNotebookが立ち上がります。これが一番ラクです。
(サイドバーの Code → New Notebook でも作れますが、その場合は自分でデータを紐づける必要があります。)
3. 画面の各部と操作
| 操作 | やり方 |
|---|---|
| セルを実行 | セルを選んで Shift + Enter(または左の ▶ ボタン) |
| セルを追加 | 下部の + Code / + Markdown ボタン |
| 全部実行 | 上部メニューの Run All |
| 保存・実行 | 右上の Save Version |
| 公開設定 | 右側の Settings → Visibility(Private / Public) |
| GPUを使う | 右側の Settings → Accelerator で GPU を選択 |
| ネット接続 | 右側の Settings → Internet を ON(電話番号認証が必要) |
右側パネルの Input(入力データ)
右側に Input という欄があり、そこに titanic のデータが入っています。ファイルの実体は、Notebookの中から次のパスで見えます。
/kaggle/input/titanic/train.csv
/kaggle/input/titanic/test.csv
/kaggle/input/titanic/gender_submission.csv
/kaggle/input/ は読み取り専用です。書き込みはできません。
Output(出力)
自分が作ったファイル(提出用CSVなど)は、次の場所に保存します。
/kaggle/working/submission.csv
ここに置いたファイルが、保存後に Output 欄に現れ、提出に使えるようになります。
4. いちばん最初に実行するセル
新しいNotebookには、最初からこんなコードが入っています。これは「入力データの一覧を表示するおまじない」です。
import numpy as np
import pandas as pd
import os
for dirname, _, filenames in os.walk('/kaggle/input'):
for filename in filenames:
print(os.path.join(dirname, filename))
実行すると、使えるファイルのパスが表示されます。まずこれを実行して、パスを確認するのが作法です。
5. Save Version(保存)の2つのモード
右上の Save Version を押すと、2つの選択肢が出ます。ここは混乱しやすいポイントです。
| モード | 動作 | 使う場面 |
|---|---|---|
| Quick Save | 今画面に出ている状態をそのまま保存 | ちょっと保存したいとき |
| Save & Run All (Commit) | 最初から全セルを順番に実行し直して保存 | 提出用ファイルを作るとき |
提出ファイルを確実に作りたいときは Save & Run All を使ってください。「順番に実行すればちゃんと動く」ことが保証されるためです。
6. 他人のNotebookを使い倒す(最重要テクニック)
Kaggleで最も効率のよい学習法は、他人のNotebookをコピーして動かすことです。
- コンペの Code タブ を開く。
- 並び順を Most Votes(投票が多い順) にする。
- タイトルに
EDA(データの可視化)、Beginner、Baseline、Tutorialと付いたものを選ぶ。 - 右上の Copy & Edit を押す。
- 自分のコピーができるので、Run All して動かす。
- 1セルずつ読んで、数字をいじって、挙動の変化を見る。
これを3本もやると、Kaggleの作法がだいたい身につきます。最初からゼロで書こうとしないこと。
コードを読むときのコツ
わからない行が出たら、その行をコピーして翻訳サイトやAIに「このPythonコードが何をしているか日本語で説明して」と聞けば済みます。全部を理解しようとせず、「このセルは何のためにあるか」 の粒度で追ってください。
7. よくあるトラブル
| 症状 | 原因と対処 |
|---|---|
FileNotFoundError | パスの打ち間違い。os.walk でパスを確認する |
| 変数が「ない」と言われる | 上のセルを実行していない。Run All で上から通す |
| GPUが選べない | 電話番号認証が済んでいない |
| 実行が止まる・固まる | 右下の電源マーク → Restart Session で再起動 |
| セッションが切れた | 一定時間放置で自動停止する。もう一度 Run All すればよい |
| 提出が Scoring Error | CSVの列名・行数・ファイル名を見直す |
8. 自分のPCでやる必要はあるのか?
当面ありません。 Kaggle Notebookだけで完結します。
将来、大きなデータを扱ったり、長時間の学習をしたくなったら、次の選択肢が出てきます(今は知識として知っておくだけでOK)。
- Google Colab:Kaggle Notebookとほぼ同じものがGoogle側にある。
- ローカル環境:自分のPCにPythonを入れる。Anaconda や uv などを使う。
まとめ
- Notebookは セル単位で実行できるノート。データ分析の標準。
- 入力は
/kaggle/input/(読み取り専用)、出力は/kaggle/working/。 - Save & Run All で全セルを実行して保存すると、提出ファイルが確実にできる。
- 他人のNotebookを Copy & Edit が最速の学習法。
次のページで、ついに初めての提出をします。