ゲームをしていたら、画面がとつぜん真っ赤に変わり、けたたましい音が鳴り響きました。

「警告! あなたの端末たんまつがウイルスに感染しました! 5分以内にここから確認かくにんしないと、データが全部消去されます!」

画面の中央に、巨大なボタンが点滅しています。その横で、タイマーの数字が猛スピードで減っていきます。4:58、4:57、4:56。

ソラの指が、画面のボタンに近づきました。心臓が、早鐘のようにどきどきしています。

「ちょっと待って!」

リンが、横からソラの腕を強くつかんで止めました。

「でも、あと4分でデータが消えちゃうんだよ!」

「4分あるってことだよ。落ち着いて」

画面のカウントダウンタイマーは、何のために動いているんだろう?

つづきを読む

リンは、タブレットのブラウザのタブをすっと閉じました。真っ赤な警告も、カウントダウンも、一瞬いっしゅんで消え去りました。

「ほらね。ただの偽物の警告広告よ。本物のセキュリティソフトなら、こんな風にカウントダウンで脅したりしないわ」

「あと5分」「今すぐ」「本日限り」。これらはすべて、冷静に考える時間をうばい、あわてて危険なボタンを押させたりするための仕掛けです。

ソラは、大きく息を吐き出しました。

「急いでるのは、ぼくじゃなかったんだ」

「そう。急がせたいのは、向こうの相手よ」

急かされたときこそ、絶対にその場ではボタンを押さない。画面を閉じるか、大人を呼んで見せる。それだけで、あやしい罠は防げるのです。