町のはずれに、古い家が3けんならんでいます。同じ大工さんが、同じ年に建てたのだそうです。昔は町じゅうでお互いを信用していて、困ったときに助け合えるように、どの家も同じかぎにしたのだといいます。

2人が前を通りかかると、いちばん手前の家のおじいさんが、戸の前でこまっていました。かぎをなくしたのだといいます。

そこへ、となりの家の人が出てきて、こう言いました。

「うちのを使いなよ。同じだから」

そして本当に、となりの家のかぎで、おじいさんの家の戸が開きました。

ソラは、ぽかんとしました。

「…え、ぜんぶ同じかぎなの?」

「3けんとも同じだよ。便利でねえ」

たしかに、便利です。なくしても、となりで借りられます。でも、ソラはハッとしました。

「……ぼく、ゲームのパスワードも、タブレットのアカウントも、ぜんぶ同じパスワードにしてた!」

同じパスワードを使い回すと、どうしてあぶないんだろう?

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リンが言いました。

「1つのアプリからパスワードが漏れたら、他の大切なアカウントまで全部開けられちゃうよ」

2人は、家に帰ってからパスワードを見直しました。大事なアカウントと、遊びのアカウントは、べつのパスワードにする。

安全なパスワードの作り方も決めました。むずかしい記号をならべるのではなく、関係のないことばをいくつかつなげるのです。「あおいカバとえんぴつ3本」のように。長いほうが、人や機械には当てられにくくなります。それでいて、自分は思い出せます。名前や生まれた日は入れません。アカウントを狙う人が、まっ先に試すからです。

ぜんぶ覚えるのは大変なので、紙に書いて、家の人と決めた場所にしまうことにしました。パスワードを紙に書いて鍵のかかる場所にしまうのは、じつはとても安全な方法なのです。