ノート 26
星間航海士の手引き
約2分
認証方式と多要素セキュリティ
パスワードのエントロピー(複雑さより長さ)、資格情報の使い回しが引き起こす連鎖的侵害。多要素認証の原理と、安全なクレデンシャル管理の要諦を確立します。
認証セキュリティにおける第一の防護壁はパスワードです。強度設計において重要なのは、短く複雑な記号列よりも、「辞書に載っていない無関連な単語を複数連結させた長いパスフレーズ」を構成することです。長さこそが総当たり攻撃に対する最大の耐性となります。
そして実務上、最も致命的な脆弱性となるのが「パスワードの使い回し」です。どれほど強固なパスワードであっても、利用している1つのサービスから漏洩すれば、同一のクレデンシャルを用いて全アカウントがドミノ倒しに陥落します(リスト型攻撃)。
フィッシング詐欺に対する絶対の境界線
アカウントが奪われる原因の多くは、暗号解読ではなく「利用者自身が偽装画面にパスワードを入力してしまう」ソーシャルエンジニアリングです。
判別規則は1点に尽きます。本物の運営はパスワードを聞かないということです。公式サポートやセキュリティ管理者が、利用者のパスワードや認証コードを尋ねることはシステム設計上あり得ません。
詳細解説
パスワードの作り方と、使い回しの禁止、そして「本物の運営はパスワードを聞かない」という判別規則を扱います。
くわしく読む
背景と目的
3点が目標です。長さが記号の複雑さに勝ること(候補空間は長さに対して指数的に増える)、使い回しが1件の漏洩を全件の侵害に変換すること、そして窃取より自己入力のほうが多いという経路の実態です。
組み立ての工夫
「名前を入れない」「生まれた日を入れない」を、あなたを知っている人が最初に試す、という理由つきで示しました。推測攻撃は無作為ではなく個人情報を起点にします。
紙への記録を肯定しています。記憶に依存すると使い回しが起きる。脅威モデルを家庭内に置けば、紙は合理的な選択です。
長さが記号に勝ることは、本文では「むずかしい記号をならべるより、長さのほうが効きます」と書き、例に「あおいカバとえんぴつ3本」を出しました。理屈(候補の数が長さで一気に増える)は書きますが、計算はさせません。
補足と注意点
多要素認証やパスワード管理ソフトには触れていません。導入は家庭・学校の判断であり、小学生が単独で設定できる範囲を超えるためです。