決めなければならない人のための、
引ける31章
AIの導入で判断を求められる論点は、技術の性能だけではありません。データの状態、契約条項、責任の所在、法規制、セキュリティ、そして止めどき。この31章は、そのどれについても根拠を示して決められるところまで扱います。
通読を前提にした本ではありません。必要な章から引く参照書として使えるよう、章間の相互リンクと用語集・チェックリスト・自己診断を張ってあります。1章あたり約12分。目的が決まっているなら、その章だけを開いてください。
各章の「現場のシーン」は、網羅物語之巻に登場する架空の会社・朝凪精機の二年目の出来事です。判断の場面を物語で先に読み、この巻で根拠を確かめる読み方もできます。
- 31 章
- 約12分 1章あたり
- 99語 用語集
- 4場面 チェックリスト
AIの全体像と歴史
なぜ「今」ビジネス活用が本格化したのか。全章の前提になる背景知識を先に置く。
Part IAIを正しく理解する(技術・分類編)
AIの分類、仕組み、主要サービスの比較。開発・実装編の前提知識にもなる部。
Part IIAIの実務組み込み・データ活用編
実務への組み込み方、業種別のユースケース、そしてその前提となるデータ基盤。
Part IIIDX・組織変革編
データ化、組織と人材、投資対効果、事業継続。導入を「進める側」の論点。
Part IV開発・実装編
AIを使った開発、ツールの自作、アーキテクチャ設計、テストと品質保証。
Part V経営・ガバナンス編
経営層と現場のギャップ、社内ガバナンス体制、ベンダーと契約の管理。
Part VIリスク・法規制・倫理編
危険性、法規制、倫理とバイアス、セキュリティ、環境影響。相互に参照し合う5章。
Part VII継続的な活用・未来編
判断軸のまとめ、検証と改善のサイクル、そして今後の展望との付き合い方。
Part VIII巻末資料・リファレンス編
用語集・チェックリスト・自己診断・事例索引・情報源の見極め方。全章からの参照先。
AIの全体像と歴史
なぜ「今」ビジネス活用が本格化したのか。全章の前提になる背景知識を先に置く。
AIを正しく理解する(技術・分類編)
AIの分類、仕組み、主要サービスの比較。開発・実装編の前提知識にもなる部。
第1章 AIを一括りにしない ― 分類と仕組み
生成AIと非生成AI、モデルサイズ、クラウドとローカル、単体AIと複合型サービス、そして精度の評価指標。この章でつくる分類の座標軸を、以降の30章すべてで使います。
第2章 AIを支える技術の仕組み
Transformer、事前学習と事後学習、推論モデル、プロンプトエンジニアリング、RAG、ファインチューニング、エージェント、マルチモーダル。開発・実装編を読むための土台になる章です。
第3章 主要AIサービス・モデルの比較
プロバイダーの構図、オープンウェイトと商用モデルの違い、料金体系、API仕様とレート制限、モデルカードの読み方。比較表の数字ではなく、自社データで確かめる手順に着地させます。
AIの実務組み込み・データ活用編
実務への組み込み方、業種別のユースケース、そしてその前提となるデータ基盤。
第4章 AIの実務組み込み ― 業務データ活用・システム連携編
帳票のデータ化、需要予測、異常検知、応対ログの要約、チャットボット、画像検査、社内ナレッジ検索、基幹システムへの組み込み。11の組み込み例を、精度の限界と人の確認工程とセットで扱います。
第5章 業種・業務別ユースケース
製造・小売・金融・医療・物流・人事・法務・マーケティング・公共・不動産・農業・エネルギー・教育・メディア・研究開発。17分野の使いどころと、規制業種で越えてはいけない線を扱います。
第6章 データ基盤とAI活用の前提
データ品質、ガバナンス、パイプライン設計、構造化と非構造化、データレイクとウェアハウス、マスターデータ管理、鮮度、匿名化。AI導入の工数の多くがここに消えます。
DX・組織変革編
データ化、組織と人材、投資対効果、事業継続。導入を「進める側」の論点。
第7章 DXの進め方 ― データ化なくして活用なし
必要なのはルールではなく、AIが読み込める形のデータです。管理職の説明では届かない粒度、ヒアリングの限界、暗黙知の言語化、少人数・属人化業務ほど難しい逆説、そして現場を巻き込む方法。
第8章 組織・人材・チェンジマネジメント
必要なスキルセットと役割分担、推進体制の作り方、雇用不安への対処、リテラシー教育、評価制度、外部人材の使い方、変革マネジメントの枠組み。技術ではなく人の側の設計です。
第9章 プロジェクトマネジメント・投資対効果
ROIの測り方、KPIとKGIの設計、予算と投資判断、ベンダー選定基準、PoCから本番化への意思決定、そして失敗プロジェクトに共通する要因。費用の桁感にも触れます。
第10章 事業継続・ベンダー依存リスク管理
単一ベンダー依存、サービス障害時のBCP、モデル廃止・仕様変更・値上げへの対応、マルチモデル運用、そしてベンダーの事業継続性の見極め方。動き始めてから効いてくる論点です。
開発・実装編
AIを使った開発、ツールの自作、アーキテクチャ設計、テストと品質保証。
第11章 AIを使ったコーディング・システム開発
支援AIの3つの使い方、PoCと本番品質の差、プロンプトでは埋まらない知識、セキュリティと保守性、レビューとテストの自動化、エージェントによる自律的開発と生産性の測り方。
第12章 ビジネスツールの自作 ― チャット・業務アプリ制作
自作の流れ、開発エージェントを使う実際、ノーコードとの組み合わせ、「誰でも作れる」ことの落とし穴、シャドーIT化の防止、引き継ぎと保守体制、自作か調達かの判断基準。
第13章 AIシステムのアーキテクチャ設計
API設計と連携、インフラ選定、MLOps/LLMOpsの基礎、プロンプトとエージェントのバージョン管理、コスト最適化、そして障害対応と可観測性。運用に入ってから効く設計判断です。
第14章 テスト・品質保証
AI出力の精度評価、A/Bテストと継続的評価、モデル更新による劣化を捕まえる回帰テスト、人によるレビュー体制、そして受け入れ条件の定義。出力が毎回同じでない前提での品質保証です。
経営・ガバナンス編
経営層と現場のギャップ、社内ガバナンス体制、ベンダーと契約の管理。
リスク・法規制・倫理編
危険性、法規制、倫理とバイアス、セキュリティ、環境影響。相互に参照し合う5章。
第18章 危険性と注意点
ハルシネーション、知識の鮮度、機密情報、著作権、過信、プロンプトインジェクション、出力の非決定性、バイアス、ディープフェイク。この部の入口として、危険性の全体像を並べます。
第19章 法規制・コンプライアンス
著作権法とAI生成物、個人情報保護法とGDPR、EU AI Actなどの国際動向、業界別規制、労働法、輸出管理、競争法、特許法上の論点。参照すべき法令名と所管を明記します。
第20章 AI倫理とバイアス
公平性、説明可能性、透明性とアカウンタビリティ、差別的判断の回避と検証方法、倫理委員会と社内ガイドライン、アクセシビリティ、そして子ども・未成年の保護。
第21章 セキュリティ
プロンプトインジェクション(直接型・間接型)、データポイズニング、サプライチェーンリスク、モデル盗用と情報抽出攻撃、そして自作ツールの脆弱性。エージェントの実行権限設計まで踏み込みます。
第22章 AIと持続可能性・環境影響
学習と推論の電力消費、ESG経営との関係、グリーンAIと省エネ運用の動向、環境関連の情報開示要請への対応。コスト最適化と方向が一致する論点でもあります。
継続的な活用・未来編
判断軸のまとめ、検証と改善のサイクル、そして今後の展望との付き合い方。
巻末資料・リファレンス編
用語集・チェックリスト・自己診断・事例索引・情報源の見極め方。全章からの参照先。
巻末資料編の本文は、参照用資料としての性格から常体(である調)で記述しています。
第26章 用語集
本書の全章に登場する専門用語を、主題別・階層順に収録した用語集です。各語には、詳しく扱っている章への逆リンクを添えています。
第27章 チェックリスト集
導入前、セキュリティ・ガバナンス、ベンダー選定、自作ツール品質の4つのチェックリストです。印刷して会議に持ち込める体裁にしています。
第28章 AI活用成熟度 自己診断
データ整備度・組織体制・ガバナンス・活用範囲の4軸で、自社の現在地を測る自己診断です。レベル別に次の一手を示します。
第29章 ケーススタディ索引
本書各章に登場する業務シーンを状況別に、業種ごとの論点を業種別に索引化したものです。自社に近い状況から関係する章に入れます。
第30章 情報源の見極め方
特定の媒体名を覚えるのではなく、情報源の性質を見分ける考え方です。一次情報・専門メディア・コミュニティの使い分けと、継続学習の進め方。
読み方
目的が決まっているなら、その章だけを開いてください。どの章も単独で読めます。背景から順に追いたい方は第0章から。用語で迷ったら第26章、自社の現在地を測るなら第28章から入ってください。第13・14章は実装と運用を担う側向けです。発注する側は、第9章の工程設計と第17章の契約確認まで読めば判断に足ります。各章の冒頭の案内から、同じ場面を描いた物語の章へ移れます。
記述時点
本サイトの記述は2026-10-12時点のものです。技術・製品の記述は半年ごと、法規制の記述は年1回見直しています。
網羅物語之巻
同じ会社の二年目、全社展開の一年を、判断の場面ごとに追う全16章。 網羅物語之巻を開く
網羅微塵之巻
架空の専門商社の全社3年契約の一年目を、権限と保身と嘘の中で追い、一か所だけ止まったものまでを描く全16章。 網羅微塵之巻を開く
網羅裏之巻
領域ごとに起きやすい省略と誇張を、確認質問の形で持ち帰るための全31章。 網羅裏之巻を開く
このサイトについて
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- 記述時点
- 2026-10-12
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