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AIの全体像と歴史
なぜ「今」ビジネス活用が本格化したのか。全章の前提になる背景知識を先に置く。
- 第0章AIの歴史と現在地第一次・第二次ブームと冬の時代、深層学習の台頭、Transformerの登場。なぜ「今」ビジネス活用が本格化したのかを、計算コスト・モデル性能・周辺エコシステム・社会的受容の4つの要因から整理します。
AIを正しく理解する(技術・分類編)
AIの分類、仕組み、主要サービスの比較。開発・実装編の前提知識にもなる部。
- 第1章AIを一括りにしない ― 分類と仕組み生成AIと非生成AI、モデルサイズ、クラウドとローカル、単体AIと複合型サービス、そして精度の評価指標。この章でつくる分類の座標軸を、以降の30章すべてで使います。
- 第2章AIを支える技術の仕組みTransformer、事前学習と事後学習、推論モデル、プロンプトエンジニアリング、RAG、ファインチューニング、エージェント、マルチモーダル。開発・実装編を読むための土台になる章です。
- 第3章主要AIサービス・モデルの比較プロバイダーの構図、オープンウェイトと商用モデルの違い、料金体系、API仕様とレート制限、モデルカードの読み方。比較表の数字ではなく、自社データで確かめる手順に着地させます。
AIの実務組み込み・データ活用編
実務への組み込み方、業種別のユースケース、そしてその前提となるデータ基盤。
- 第4章AIの実務組み込み ― 業務データ活用・システム連携編帳票のデータ化、需要予測、異常検知、応対ログの要約、チャットボット、画像検査、社内ナレッジ検索、基幹システムへの組み込み。11の組み込み例を、精度の限界と人の確認工程とセットで扱います。
- 第5章業種・業務別ユースケース製造・小売・金融・医療・物流・人事・法務・マーケティング・公共・不動産・農業・エネルギー・教育・メディア・研究開発。17分野の使いどころと、規制業種で越えてはいけない線を扱います。
- 第6章データ基盤とAI活用の前提データ品質、ガバナンス、パイプライン設計、構造化と非構造化、データレイクとウェアハウス、マスターデータ管理、鮮度、匿名化。AI導入の工数の多くがここに消えます。
DX・組織変革編
データ化、組織と人材、投資対効果、事業継続。導入を「進める側」の論点。
- 第7章DXの進め方 ― データ化なくして活用なし必要なのはルールではなく、AIが読み込める形のデータです。管理職の説明では届かない粒度、ヒアリングの限界、暗黙知の言語化、少人数・属人化業務ほど難しい逆説、そして現場を巻き込む方法。
- 第8章組織・人材・チェンジマネジメント必要なスキルセットと役割分担、推進体制の作り方、雇用不安への対処、リテラシー教育、評価制度、外部人材の使い方、変革マネジメントの枠組み。技術ではなく人の側の設計です。
- 第9章プロジェクトマネジメント・投資対効果ROIの測り方、KPIとKGIの設計、予算と投資判断、ベンダー選定基準、PoCから本番化への意思決定、そして失敗プロジェクトに共通する要因。費用の桁感にも触れます。
- 第10章事業継続・ベンダー依存リスク管理単一ベンダー依存、サービス障害時のBCP、モデル廃止・仕様変更・値上げへの対応、マルチモデル運用、そしてベンダーの事業継続性の見極め方。動き始めてから効いてくる論点です。
開発・実装編
AIを使った開発、ツールの自作、アーキテクチャ設計、テストと品質保証。
- 第11章AIを使ったコーディング・システム開発支援AIの3つの使い方、PoCと本番品質の差、プロンプトでは埋まらない知識、セキュリティと保守性、レビューとテストの自動化、エージェントによる自律的開発と生産性の測り方。
- 第12章ビジネスツールの自作 ― チャット・業務アプリ制作自作の流れ、開発エージェントを使う実際、ノーコードとの組み合わせ、「誰でも作れる」ことの落とし穴、シャドーIT化の防止、引き継ぎと保守体制、自作か調達かの判断基準。
- 第13章AIシステムのアーキテクチャ設計API設計と連携、インフラ選定、MLOps/LLMOpsの基礎、プロンプトとエージェントのバージョン管理、コスト最適化、そして障害対応と可観測性。運用に入ってから効く設計判断です。
- 第14章テスト・品質保証AI出力の精度評価、A/Bテストと継続的評価、モデル更新による劣化を捕まえる回帰テスト、人によるレビュー体制、そして受け入れ条件の定義。出力が毎回同じでない前提での品質保証です。
経営・ガバナンス編
経営層と現場のギャップ、社内ガバナンス体制、ベンダーと契約の管理。
- 第15章経営層と現場のギャップ抽象的なAIプレゼンが通る構造、PoCデモと量産運用の溝、現場が直面する精度・コスト・保守の現実、共通言語のつくり方、双方に伝わる資料の書き方、そして事例共有の仕組み。
- 第16章AIガバナンス体制の構築社内利用規程とガイドライン、申請と承認のフロー、AI出力の最終責任の所在、監査と利用ログ、リスクレベルに応じた利用制限、そして保険の活用検討。
- 第17章ベンダー・契約管理SLAの確認ポイント、契約条項で見るべき事項(データ利用目的・知財帰属・責任範囲)、ロックイン対策、監査権と第三者評価の確保、複数ベンダー活用によるリスク分散。
リスク・法規制・倫理編
危険性、法規制、倫理とバイアス、セキュリティ、環境影響。相互に参照し合う5章。
- 第18章危険性と注意点ハルシネーション、知識の鮮度、機密情報、著作権、過信、プロンプトインジェクション、出力の非決定性、バイアス、ディープフェイク。この部の入口として、危険性の全体像を並べます。
- 第19章法規制・コンプライアンス著作権法とAI生成物、個人情報保護法とGDPR、EU AI Actなどの国際動向、業界別規制、労働法、輸出管理、競争法、特許法上の論点。参照すべき法令名と所管を明記します。
- 第20章AI倫理とバイアス公平性、説明可能性、透明性とアカウンタビリティ、差別的判断の回避と検証方法、倫理委員会と社内ガイドライン、アクセシビリティ、そして子ども・未成年の保護。
- 第21章セキュリティプロンプトインジェクション(直接型・間接型)、データポイズニング、サプライチェーンリスク、モデル盗用と情報抽出攻撃、そして自作ツールの脆弱性。エージェントの実行権限設計まで踏み込みます。
- 第22章AIと持続可能性・環境影響学習と推論の電力消費、ESG経営との関係、グリーンAIと省エネ運用の動向、環境関連の情報開示要請への対応。コスト最適化と方向が一致する論点でもあります。
継続的な活用・未来編
判断軸のまとめ、検証と改善のサイクル、そして今後の展望との付き合い方。
- 第23章正しく付き合うための考え方用途に応じた選定の判断軸、導入前のチェックポイント、継続的な検証体制、AIに任せる範囲と人が担う範囲の線引き、失敗を許容する運用文化、そして成熟度を見る視点。
- 第24章継続的な検証・改善サイクル定期的な精度モニタリング、モデル・サービス更新への追随、フィードバックループの構築、利用状況の可視化とレポーティング。導入して終わりにしないための仕組みです。
- 第25章AIの進化と今後の展望マルチモーダル化・エージェント化・低コスト化という技術トレンド、規制動向の見通し、働き方と雇用構造への影響、そして情報収集を続けるための方法。予測ではなく備え方の話です。
巻末資料・リファレンス編
用語集・チェックリスト・自己診断・事例索引・情報源の見極め方。全章からの参照先。
- 第26章用語集本書の全章に登場する専門用語を、主題別・階層順に収録した用語集です。各語には、詳しく扱っている章への逆リンクを添えています。
- 第27章チェックリスト集導入前、セキュリティ・ガバナンス、ベンダー選定、自作ツール品質の4つのチェックリストです。印刷して会議に持ち込める体裁にしています。
- 第28章AI活用成熟度 自己診断データ整備度・組織体制・ガバナンス・活用範囲の4軸で、自社の現在地を測る自己診断です。レベル別に次の一手を示します。
- 第29章ケーススタディ索引本書各章に登場する業務シーンを状況別に、業種ごとの論点を業種別に索引化したものです。自社に近い状況から関係する章に入れます。
- 第30章情報源の見極め方特定の媒体名を覚えるのではなく、情報源の性質を見分ける考え方です。一次情報・専門メディア・コミュニティの使い分けと、継続学習の進め方。
ほかの巻
同じ主題を、別の分量・別の角度から扱っている巻です。
- 物語物語之巻架空の会社で「AIで何かやれ」から稟議までの3か月を追う全8話。シンプル版と裏之巻の中身が、そのまま場面になる。
- 人間微塵之巻別の架空の会社で、任期の残り少ない常務がAIの旗を振り、誰も責任を取らないまま過ぎる半年の全8話。登場人物は全員、どこかに悪意か弱さを抱えている。
- 知識シンプル版「AIを導入する」の中身を分けて考える全8章。知識の入口。
- 罠裏之巻提案や報告を受け取る立場の人へ。空っぽの提案と、ずれた報告を見分ける全8章。
- 物語網羅物語之巻同じ会社の全社展開の一年を追う全16章。網羅版と網羅裏之巻の論点が、判断の場面として出てくる。
- 人間網羅微塵之巻微塵之巻の会社の、全社3年契約の一年目を追う全16章。網羅版と網羅裏之巻の論点が、権限と保身の渦の中で歪み、最後に一か所だけ損害が止まる。
- 罠網羅裏之巻契約・ガバナンス・セキュリティなど、領域ごとの省略と誇張を扱う全31章。
- 外伝奇譚之巻架空の会社で起きる構造を、物理法則として描く外伝の連作短編・全12話。
- 外伝奇譚之巻・改奇譚之巻の情報システム部を軌道コロニーへ打ち上げた改作・全12話。誰の悪意もなく組織が歪んでいく。