「AIを導入する」の中身を、
分けて考える
「AIで何かやれ」と言われた。提案書が届いたが、妥当かどうか判断できない。何を入力してよいか社内で決まっていない。PoCは動いたのに、そこから進まない。 — どれかに当てはまるなら、まず言葉を分けるところから始まります。
同じ会議で「AI」と言っている人たちが、文章を書く道具、不良品を見つけるカメラ、来月の受注量を読む仕組みという、まったく性質の違うものを指していることがあります。このサイトは、その違いを分けて考え、提案・報告・見積もりに対して何を確認すれば判断できるのかを持ち帰るためのものです。読むのは、AIの導入を判断する立場の人、任された人、相談を受ける情報システム部門や現場の人。売る側・作る側の人にも使えます。
物語之巻 第1話から読む(約9分) シンプル版から読む(1章 約9分) 状況から選ぶ
- 1話 約9分 の物語から入れる
- 全8章 で全体像がつかめる
- 31章 の参照書つき
- 登録も広告もなし 読むだけ
いま困っていることから開く
目的が決まっているなら、該当する章を直接開くのがいちばん速いです。どれも1章単独で読めるようにしてあります。右の2列は、同じことを物語の場面で読める話です。物語の巻は正しい確認が最後に通る話、微塵の巻は通らない話です。
| いまの状況 | 開く章 | 物語で読む | 人間模様で読む |
|---|---|---|---|
| 「AIで何かやれ」と言われたが、何から手をつけるか分からない | AIを一括りにしないシンプル版 第1章 → DXの進め方シンプル版 第3章 | AIで何かやれ物語之巻 第1話 | 旗を立てる人微塵之巻 第1話 |
| ベンダーの提案書・見積書が届いた。妥当か判断できない | 中身のないAI提案を見抜く裏之巻 第2章 | 三週間で届いた提案書物語之巻 第2話 | 三部長会微塵之巻 第2話 |
| 明日・来週に商談や社内会議がある | 質問リストとチェックリスト裏之巻 第7章 | 貼りつけられた顧客名簿物語之巻 第7話 | 消えた依頼微塵之巻 第7話 |
| 「何を入力してよいか」の社内ルールを作れと言われた | 危険性と注意点シンプル版 第7章 → AIガバナンス体制の構築網羅版 第16章 | 規程は作った網羅物語之巻 第13章 | 読みましたの欄網羅微塵之巻 第13章 |
| PoCは動いたのに、本番に進まない | PoC止まりの罠裏之巻 第5章 | PoCは成功した物語之巻 第3話 | 成功させられたPoC微塵之巻 第3話 |
| 現場から「精度が出ない」「使えない」と言われている | 経営層と現場のギャップシンプル版 第6章 | 三割削減の報告物語之巻 第6話 | 三割削減微塵之巻 第6話 |
| 業務ツールを自分で作りたい / 作らせたい | ビジネスツールの自作シンプル版 第5章 | 小野寺くんのツール物語之巻 第5話 | 三好くんの見積もりツール微塵之巻 第5話 |
| 発注の承認欄に名前は並んでいるが、誰も中身を読んでいない | 発注側が陥りやすい罠裏之巻 第4章 | 仕様書に書いていないこと物語之巻 第4話 | 一週間で作れると言った人微塵之巻 第4話 |
| 上の号令で始まった案件の、責任者が誰なのか分からない | 何に価値があるのかを判断する裏之巻 第8章 → 正しく付き合うための考え方シンプル版 第8章 | 稟議書の最後の一行物語之巻 第8話 | 止める条件のない稟議書微塵之巻 第8話 |
| 契約更新や値上げの通知が来た。乗り換えられるか分からない | 事業継続とベンダー依存網羅版 第10章 → 発注・契約管理の罠網羅裏之巻 第17章 | 乗り換えられない網羅物語之巻 第8章 | 乗り換えさせない人たち網羅微塵之巻 第8章 |
| 投資対効果を説明しろと言われた | プロジェクト管理と投資対効果網羅版 第9章 → 投資対効果を曖昧にする罠網羅裏之巻 第9章 | 四千八百万円の分母網羅物語之巻 第7章 | 六千万円の分母網羅微塵之巻 第7章 |
| 著作権や個人情報の扱いが気になる | 法規制・コンプライアンス網羅版 第19章 | 規程は作った網羅物語之巻 第13章 | AIだから公平網羅微塵之巻 第15章 |
| 用語の意味だけ確認したい | 用語集網羅版 第26章 | ― | ― |
| 自社の現在地を測りたい | AI活用成熟度の自己診断網羅版 第28章 → 組織の「罠耐性」自己診断網羅裏之巻 第28章 | ― | 一か所だけ止まったもの網羅微塵之巻 第16章 |
通して読むなら、どれを開くか
同じ主題を8つの巻に分けてあります。分量で2つの組に分かれ、どちらの組も 物語(架空の会社で起きる出来事)・知識(AIの技術と実務)・ 罠(その周辺で人が仕掛けてくる省略と誇張)の巻でできています。物語は同じ会社の2年間で、1年目の3か月が物語之巻、2年目の全社展開が網羅物語之巻です。どちらの組にも、もう1つ人間の巻があります。別の会社を舞台に、同じ主題を権限と保身と嘘の側から描く微塵之巻(半年)と網羅微塵之巻(その次の一年)です。迷ったら、物語之巻の第1話から。
短く一周する4巻
8章前後で一周する4巻です。物語之巻で流れをつかみ、微塵之巻で同じ主題が人の保身と嘘にどう歪められるかを見て、知識と罠の巻で名前と手順を確かめます。
物語之巻まず、ここから
- 向いている人
- まず全体の流れをつかみたい人
- 扱うもの
- 架空の中堅メーカーで、AI推進を任された担当者が「AIで何かやれ」から稟議までの3か月を過ごす。シンプル版と裏之巻の中身が、会議室と現場の場面として出てくる。
- 分量
- 全8話・1話あたり約9分(通して読むと約1時間12分)
- 読み終えたら
- 自分の会社で次に起きることが、どの場面に当たるか見当がつく。
微塵之巻
- 向いている人
- 組織の中で、権限と保身に振り回されている人
- 扱うもの
- 別の架空の専門商社で、任期の残り少ない常務がAIの旗を振る半年。登場人物は全員、どこかに悪意か弱さを抱えていて、正しい確認は最後まで通らない。シンプル版と裏之巻の中身が、保身と手柄と嘘の場面として出てくる。
- 分量
- 全8話・1話あたり約5分(通して読むと約41分)
- 読み終えたら
- 誰の悪意があっても損害が小さくなるように、何を書面に残すべきかが分かる。
シンプル版
- 向いている人
- AIの話に付いていけていない人
- 扱うもの
- 「AIを導入する」の中身を分けて考えるための、いちばん短い道。全8章を順に読むと、分類・実務・DX・開発・経営・危険性が一周する。
- 分量
- 全8章・1章あたり約9分(通して読むと約1時間11分)
- 読み終えたら
- 会議で「そのAIは何をするものですか」と聞けるようになる。
裏之巻
- 向いている人
- 提案や報告を受け取る立場の人
- 扱うもの
- 提案が空っぽかどうか、報告が実態とずれていないかを見分ける。技術の話はほとんど出てこない。ほかの巻を読んでいなくても読める。
- 分量
- 全8章・1章あたり約6分(通して読むと約47分)
- 読み終えたら
- その場で口に出せる確認質問が手元に残る。
根拠まで固める4巻
判断の根拠まで固める4巻です。網羅版と網羅裏之巻は章番号が1対1で対応し、網羅物語之巻と網羅微塵之巻は、その論点をそれぞれ別の会社の一年の出来事に束ねています。
網羅物語之巻
- 向いている人
- 全社展開や本格導入を任された人
- 扱うもの
- 同じ会社の二年目。三か年計画、選定、データ、組織、投資対効果、契約、開発、統治、事故、倫理を、一年の出来事として追う。
- 分量
- 全16章・1章あたり約12分(通して読むと約3時間7分)
- 読み終えたら
- 判断の場面ごとに、網羅版・網羅裏之巻のどの章を引けばよいか分かる。
網羅微塵之巻
- 向いている人
- 契約や体制の判断が、社内の力関係で歪んでいると感じる人
- 扱うもの
- 微塵之巻の会社の、全社3年契約の一年目。比較・データ・投資対効果・契約・開発・統治・事故・倫理が、権限と保身の中でどう歪むかを一年の出来事として追う。最後に、一か所だけ損害が止まる。
- 分量
- 全16章・1章あたり約6分(通して読むと約1時間38分)
- 読み終えたら
- 誰にも頼まれない記録が、どの条項と結びついたときに働くのかが分かる。
網羅版
- 向いている人
- 自分の判断で決めなければならない人
- 扱うもの
- 技術の仕組みから法規制・契約・セキュリティまで、必要な章だけ引ける31章。用語集・チェックリスト・自己診断つき。
- 分量
- 全31章・1章あたり約12分(通して読むと約6時間)
- 読み終えたら
- 根拠を示して決められる。決めた理由を後から説明できる。
網羅裏之巻
- 向いている人
- 領域ごとに確認事項を用意したい人
- 扱うもの
- 契約・ガバナンス・セキュリティなど、領域ごとに起きやすい省略と誇張を章単位で扱う。
- 分量
- 全31章・1章あたり約8分(通して読むと約4時間13分)
- 読み終えたら
- 打ち合わせの前に、その領域の確認質問を印刷して持ち込める。
読み物から入る ― 外伝2巻
本編8巻とは別に、丸越マテリアルの情報システム部を描く連作短編があります。 奇譚之巻は地上の職場を、奇譚之巻・改は地球から三十八万キロ離れた軌道コロニーを舞台にしています。
どちらも全12話。規程の重さ、報告書の軽さ、会議室の霧として、裏之巻で扱う構造が現れます。続編として順番に読む必要はなく、どの巻も読んでいなくても、気になった方から読み始められます。
奇譚之巻
- 向いている人
- 資料より先に、情景から入りたい人
- 扱うもの
- 地上の丸越マテリアル情報システム部を描く連作短編。悪人は出てこないのに、規律は緩み、上には「順調です」と届く。裏之巻の構造を職場の場面で読む。
- 分量
- 全12話・1話あたり約7分(通して読むと約1時間24分)
- 読み終えたら
- 自分の職場に似ているところが、そのまま確認すべき点になる。
奇譚之巻・改
- 向いている人
- 職場の構造を、SFの情景から読みたい人
- 扱うもの
- 奇譚之巻の情報システム部を、地球から三十八万キロ離れた軌道コロニーへ移した全12話。誰の悪意もなく、過去の判断と判断の不在が組織を歪めていく。
- 分量
- 全12話・1話あたり約8分(通して読むと約1時間40分)
- 読み終えたら
- 当たり前になった規程や報告について、誰が何を決めたのか確かめるきっかけになる。
このサイトが守っていること
固有の数値を書かない
料金・性能・製品仕様のように変化が早い項目は、数字ではなく確認の手順を書いています。半年後に読んでも嘘にならず、一次情報に当たる癖がつきます。
事例は架空のものだけ
物語の会社・人物・ベンダー、各章の業務の場面は、実際によくある形を一般化してこちらで組み立てた架空の例です。実在企業の事例を装ったり、統計や引用を創作したりはしていません。
印刷して会議に持ち込める
質問リストとチェックリスト、自己診断のページは、印刷するとヘッダーやサイドバーが消え、チェック欄が枠として出ます。読み物ではなく道具として作ってあります。
登録も課金も広告もない
会員登録、課金、広告、アクセス解析はありません。外部のスクリプトやWebフォントも読み込まないので、第三者にあなたの閲覧が渡ることもありません。読むだけです。
このサイトについて
特定の製品・ベンダーの推奨や販売を目的としたものではありません。「この製品を入れれば解決する」という話は出てきません。扱うのは、 何を確認すれば自分で判断できるようになるかだけです。
微塵之巻は、登場人物の悪意や不正を確定させて描きますが、それは立場と状況が人をどう動かすかを見せるための誇張で、特定の年代・職種・雇用形態・企業を指すものではありません。
裏之巻・網羅裏之巻、および物語の2巻に出てくるベンダーや助言者の振る舞いが扱うのは行動と構造の型であり、特定の個人・企業・製品・職業を指すものではありません。そこに挙げる型が現れていること自体が不正の証拠ではなく、誠実な相手であれば具体的な数値・工程・条件を添えて説明できるはずです。目的は相手を疑うことではなく、 確認すべき点を明確にすることです。
- 運営
- AI解体新書 編集部
- 連絡先
- sh1vatechn19ue@gmail.com
- 記述時点
- 分量
- 8巻+外伝2巻・全150章/話・496,785字
免責事項
本サイトの内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言・投資助言・医療上の助言ではありません。法令の内容・解釈・適用は改正や運用の変更により変わります。個別の判断にあたっては、必ず弁護士・税理士・各分野の専門家、および所轄官庁が公開する一次情報をご確認ください。本サイトの記述を根拠とした判断について、運営者は責任を負いません。
物語に登場する会社(朝凪精機・万年商事・丸越マテリアル)・人物・ベンダー・製品、および本文の業務シーン・事例は、いずれも一般化した架空の例です。実在の企業・団体・個人とは関係ありません。製品名・サービス名は各社の商標または登録商標です。
更新方針
各章の記事ヘッダーに「最終確認」の日付を表示しています。見直しの頻度は次のとおりです。
- 半年ごと
- 技術・製品の記述を含む章(モデルの分類と仕組み、サービス比較、開発・実装、今後の展望、および対応する裏之巻・物語の章)
- 年1回
- 法規制・コンプライアンスの章、および対応する裏之巻・物語の章
- 随時
- 誤りの修正、章間参照の整合
料金・性能・法令の状況など変化の早い領域については、固有の数値を書かず確認の手順を示す方針です。参照される際は、必ず一次情報で最新をご確認ください。