網羅物語之巻・全16章

全社展開の一年を、
判断の記録として読む

カスタマーサポートの一部門でAIを本導入した翌年度、社長は「三か年で間接業務の半分をAIに」という計画を掲げた。新設のAI推進室を任された瀬尾奈々と、情報システム課の倉田誠は、四月から翌三月までの一年で、技術の選定、データ、組織、投資対効果、契約、開発、統治、事故、倫理のすべてに出会うことになる。

この16章は、架空の中堅メーカー「朝凪精機」の二年目を追います。1章あたり約12分。網羅版の論点と網羅裏之巻の罠が、判断の場面として出てきます。各章のおわりから、その章を解説した章へ進めます。物語之巻の続きですが、この巻から読み始めても筋は追えます。

  • 16 章
  • 約12分 1章あたり
  • 約187分 通読の目安

登場人物

瀬尾 奈々
AI推進室 室長代理。前年度、AI活用推進担当として一部門の本導入をまとめた
倉田 誠
情報システム課 係長。推進室を兼務する。瀬尾の同期
森 拓海
情報システム課。入社三年目。評価とセキュリティを担うようになる
大槻 修
常務取締役。三か年計画の責任者
片桐 玲
社外取締役。監査法人の出身で、数字の出どころを必ず聞く
村瀬 早苗
カスタマーサポート課長。前年度の本導入の現場
野口 剛
第一工場 品質保証課長。検査の現場を預かる
戸田 美和
総務課 主任。契約と規程を担当する
小野寺 蓮
営業部の三年目。前年度、自作ツールで話題になった
東 智子
人事課長。採用の効率化を任されている
早坂 弁護士
顧問弁護士。月に一度の相談枠を持つ
黒江 翔
ベンダー「クラウゼル・テクノロジーズ」の営業部長
岸本 優
ベンダー「汀システム」の技術営業
第1部

号令

「三か年で間接業務の半分をAIに」。社長の計画と、ベンダー3社の提案に並ぶ技術用語を、仕組みから分解する。

第2部

選定

比較表とベンチマーク、よその会社の成功事例。書かれていないところを読み、自社の業務で測る。

第3部

土台

共有フォルダ12テラバイトの棚卸しと、月に一度のDX推進委員会。データと組織の土台を扱う。

第4部

数字と契約

取締役会で問われた投資対効果と、4割値上げの更新通知。数字の分母と、契約の出口を確かめる。

第5部

作る

受注入力の刷新、社内に47本あった自作ツール、「生成AIはテストできない」という説明。作る側の判断を追う。

第6部

統治

活用率87%のダッシュボードと、誰も読まない利用規程。経営と現場、規程と手順をつなぐ。

第7部

危険

問い合わせメールに紛れた命令文が起こした小さな事故と、「AIだから公平」という採用選考の提案。

第8部

一年後

一年目の総括を取締役会へ。うまくいったこと、止めたこと、分からないことを、そのまま書く。

読み方

第1章から順に読むと、四月から翌三月までの一年を追えます。各章は、前の章を読んでいなくても筋が追えるように書いてあります。判断を迫られている領域が決まっているなら、その章だけを開いてから、章末の「この章を解説で読む」で網羅版・網羅裏之巻の該当章へ進んでください。

記述時点

本サイトの記述は2026-10-12時点のものです。技術・製品の記述は半年ごと、法規制の記述は年1回見直しています。

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架空の専門商社の全社3年契約の一年目を、権限と保身と嘘の中で追い、一か所だけ止まったものまでを描く全16章。 網羅微塵之巻を開く

網羅版

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領域ごとに起きやすい省略と誇張を、確認質問の形で持ち帰るための全31章。 網羅裏之巻を開く

このサイトについて

この巻に登場する会社・人物・製品・ベンダー・数値は、すべて架空のものです。実在の企業・製品・事例とは関係ありません。起きる出来事は、AIの導入で実際によく見られる形を一般化して組み立てたものです。統計や引用を創作することはしていません。

法令・料金・モデル性能のように変化の早い事柄は、作中でも固有の数値を書かず、登場人物が確認の手順を踏む形で描いています。実際の判断では、必ず一次情報で最新を確認してください。作中のベンダーの振る舞いは行動の型として描いており、型が現れていること自体は不正の証拠ではありません。

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2026-10-12

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