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正体を知る編
なぜ今、AIの周辺で「わかった風」の説明が説得力を持ってしまうのか。その構造から入る。
- 第1章なぜ今、AI周辺に「わかった風」が溢れるのかインターネット黎明期やクラウドという言葉が独り歩きした時期と、いまのAIはよく似ています。専門領域の細分化が追いつかない過渡期には、肩書きや語り口が説得力の代用品になります。まずこの構造を押さえます。
- 第2章中身のないAI提案を見抜くバズワードが並ぶだけで数値も工程もない提案書、「乗り遅れる」という煽り、成果物の定義が曖昧な高額ワークショップ。提案の良し悪しは、語られている内容よりも「何が書かれていないか」で判別できます。
現場で仕掛けられる罠編
社内の報告、発注、PoC。実際のプロジェクトで報告と実態がずれていく型を扱う。
- 第3章報告と実態がずれるパターン ― AI導入で起きる意思決定の歪み扱うのは人物像ではなく行動の型です。PoCの成果だけが上に伝わり失敗は現場に残る、「AIがそう言っていた」が判断の隠れ蓑になる、改善要望が「AIとはそういうもの」で片付けられる。多くは悪意ではなく情報の非対称性から生じます。
- 第4章発注側が陥りやすい罠 ― 要件定義しか見ない発注要件定義書さえ完成すれば安心、という思い込みがいちばん危ない。デモの完成度を本番品質と誤認し、体制と受け入れ条件を決めないまま進めたプロジェクトが、後半でどう詰まるのかを追います。
- 第5章PoC止まりの罠「動くものができました」で終わるプロジェクトには共通の見分け方があります。投資対効果を測らないまま繰り返される実証実験と、本番運用に必要な保守・セキュリティ・運用体制の欠落を扱います。
見抜き方と自衛術編
確認質問とチェックリスト、そして「結果に価値があるか」という評価軸に立ち返る。
- 第6章AIを売り込む人・AIで自分を売り込む人を見分ける外から売り込む側と、社内で「AIに詳しい人」というポジションを使う側。動機は違っても、話し方には共通の特徴があります。どちらにも同じように効く確認質問を用意します。
- 第7章罠を見破るための質問リスト・チェックリストこの章は読み物ではなく道具です。提案や報告を受けたときに投げる質問、危険信号になるフレーズ、契約・体制で最低限確認する項目を、印刷して会議に持ち込める形にまとめます。
- 第8章結局、何に価値があるのかを冷静に判断するAIを使っているかどうかは、それ自体では評価軸になりません。製品や業務改善という結果にどれだけの価値があるか。この一点に立ち返るための考え方で、裏之巻を締めます。
ほかの巻
同じ主題を、別の分量・別の角度から扱っている巻です。
- 物語物語之巻架空の会社で「AIで何かやれ」から稟議までの3か月を追う全8話。シンプル版と裏之巻の中身が、そのまま場面になる。
- 人間微塵之巻別の架空の会社で、任期の残り少ない常務がAIの旗を振り、誰も責任を取らないまま過ぎる半年の全8話。登場人物は全員、どこかに悪意か弱さを抱えている。
- 知識シンプル版「AIを導入する」の中身を分けて考える全8章。知識の入口。
- 物語網羅物語之巻同じ会社の全社展開の一年を追う全16章。網羅版と網羅裏之巻の論点が、判断の場面として出てくる。
- 人間網羅微塵之巻微塵之巻の会社の、全社3年契約の一年目を追う全16章。網羅版と網羅裏之巻の論点が、権限と保身の渦の中で歪み、最後に一か所だけ損害が止まる。
- 知識網羅版技術の仕組みから法規制・契約・セキュリティまで、必要な章だけ引ける全31章。
- 罠網羅裏之巻契約・ガバナンス・セキュリティなど、領域ごとの省略と誇張を扱う全31章。
- 外伝奇譚之巻架空の会社で起きる構造を、物理法則として描く外伝の連作短編・全12話。
- 外伝奇譚之巻・改奇譚之巻の情報システム部を軌道コロニーへ打ち上げた改作・全12話。誰の悪意もなく組織が歪んでいく。