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網羅物語之巻に含まれるすべてのページの一覧です。章の順に読み進めるほか、目的の節から直接開くこともできます。

基本のページ

第1部

号令

「三か年で間接業務の半分をAIに」。社長の計画と、ベンダー3社の提案に並ぶ技術用語を、仕組みから分解する。

  • 第1章三か年計画「三年で間接業務の半分をAIに」。社長の号令の翌週、倉庫の奥で、七年前に導入された自動化ロボットの端末が埃をかぶっていた。
  • 第2章RAGと言われても独自の専用モデル、社内知識を完全活用、自律型エージェント。3社の提案書に並ぶ言葉を、倉田と森は一つずつ「どの部品の話か」に分けていった。
第2部

選定

比較表とベンチマーク、よその会社の成功事例。書かれていないところを読み、自社の業務で測る。

  • 第3章比較表の余白各社が持ってきたモデル比較表は、どれも自社がいちばん上にあった。瀬尾と森は、表の外に書かれていない条件を数え始めた。
  • 第4章よその会社の成功事例紹介された同業の工場は、AIで検査工数を半減させたという触れ込みだった。見学の帰りの車で、野口は「あれは一つの工程の、3か月の話だ」とつぶやいた。
第3部

土台

共有フォルダ12テラバイトの棚卸しと、月に一度のDX推進委員会。データと組織の土台を扱う。

  • 第5章本当の最新版社内文書を何でも答えられるようにする。そのための棚卸しで、共有フォルダから「最新版_修正2_本当の最新」という名前のファイルが出てきた。
  • 第6章進捗良好全社のDX推進委員会は月に一度開かれ、議事録にはいつも「進捗良好」と書かれた。現場の課長たちは、委員会の存在を半分しか知らなかった。
第4部

数字と契約

取締役会で問われた投資対効果と、4割値上げの更新通知。数字の分母と、契約の出口を確かめる。

  • 第7章四千八百万円の分母取締役会で社外取締役が聞いた。「このAI投資の効果は、いくらですか」。ベンダーの試算には、年間4,800万円と書いてあった。
  • 第8章乗り換えられない契約更新の2か月前に届いた通知は、4割の値上げだった。乗り換えを検討すると、作った設定も学習させたモデルも、持ち出せる形になっていなかった。
第5部

作る

受注入力の刷新、社内に47本あった自作ツール、「生成AIはテストできない」という説明。作る側の判断を追う。

  • 第9章動くものと、使えるもの受注入力の刷新は「AIで開発するので工期は半分、誰でも保守できます」という提案から始まった。構成図には、知らない言葉が14個並んでいた。
  • 第10章野良ツール四十七本社内の自作ツールを調べると、47本見つかった。どの部署も最初は「うちにはない」と答えていた。
  • 第11章テストは本番で「生成AIの出力は毎回変わるので、テストは本番で様子を見ながら」。そう説明された同じ週、CS課の回答案の口調が、誰も何も変えていないのに変わっていた。
第6部

統治

活用率87%のダッシュボードと、誰も読まない利用規程。経営と現場、規程と手順をつなぐ。

  • 第12章活用率八十七パーセント経営会議のダッシュボードには、全社のAI活用率87%と出ていた。数日後、工場の休憩室では「使わされている」という声が出ていた。
  • 第13章規程は作ったAI利用規程は24ページあり、全員が「読みました」にチェックを入れていた。規程に何が書いてあるかを説明できる人は、ほとんどいなかった。
第7部

危険

問い合わせメールに紛れた命令文が起こした小さな事故と、「AIだから公平」という採用選考の提案。

  • 第14章小さな事故顧客への回答メールに、社内向けの手順書の一節が入っていた。原因は、問い合わせのメールに紛れていた一行の命令文だった。
  • 第15章誰のための公平人事課長は、応募書類の一次選考をAIに任せたいと言った。ベンダーは「AIなので人の偏りが入りません」と言った。同じ週、取引先から環境負荷の質問票が届いた。
第8部

一年後

一年目の総括を取締役会へ。うまくいったこと、止めたこと、分からないことを、そのまま書く。

  • 第16章分からないと書いた報告書一年目の総括を取締役会に出す。瀬尾は報告書に「分からないこと」の欄を作り、そこにいちばん多くの行を書いた。

ほかの巻

同じ主題を、別の分量・別の角度から扱っている巻です。

  • 物語物語之巻架空の会社で「AIで何かやれ」から稟議までの3か月を追う全8話。シンプル版と裏之巻の中身が、そのまま場面になる。
  • 人間微塵之巻別の架空の会社で、任期の残り少ない常務がAIの旗を振り、誰も責任を取らないまま過ぎる半年の全8話。登場人物は全員、どこかに悪意か弱さを抱えている。
  • 知識シンプル版「AIを導入する」の中身を分けて考える全8章。知識の入口。
  • 罠裏之巻提案や報告を受け取る立場の人へ。空っぽの提案と、ずれた報告を見分ける全8章。
  • 人間網羅微塵之巻微塵之巻の会社の、全社3年契約の一年目を追う全16章。網羅版と網羅裏之巻の論点が、権限と保身の渦の中で歪み、最後に一か所だけ損害が止まる。
  • 知識網羅版技術の仕組みから法規制・契約・セキュリティまで、必要な章だけ引ける全31章。
  • 罠網羅裏之巻契約・ガバナンス・セキュリティなど、領域ごとの省略と誇張を扱う全31章。
  • 外伝奇譚之巻架空の会社で起きる構造を、物理法則として描く外伝の連作短編・全12話。
  • 外伝奇譚之巻・改奇譚之巻の情報システム部を軌道コロニーへ打ち上げた改作・全12話。誰の悪意もなく組織が歪んでいく。