ノート 25
星間航海士の手引き
約2分
個人識別情報の合成リスク
氏名・生年月日・位置情報・行動パターンなど、断片情報の結合によって特定されるモザイク効果の脅威。個人情報の定義境界と、開示前の境界防御プロトコルを定めます。
個人情報とは、氏名そのものだけを指すのではありません。情報工学および法制上の定義において、「他の情報と照合することで、特定の個人を識別できる情報(識別可能性:Identifiability)」のすべてが含まれます。
個人情報は、1つずつでは平気に見えます。けれども、市・学校・学年・クラブ・持ちものと足していくと、何万人の中から1人までしぼりこまれます。だから「これくらいなら平気」ではなく「もう何を出したっけ」と足し算で考えます。
「都道府県」「所属組織」「最寄り駅」「誕生日」「部活動」。単体では数百万人から数千人に該当する情報であっても、これらが3つ重なるだけで、該当者はわずか数名にまで絞り込まれます。
したがって、「この情報1つくらいなら公開しても安全だろう」という個別判断は破綻します。常に「これまでに何を公開してきたか」を蓄積の観点、すなわち足し算で考える運用が求められます。
自己の情報以上に厳格な管理を要するのが、友人や同僚から預かっている情報(写真、氏名、スケジュール、私的な会話内容)です。他者のプライバシーを自らの発信によって危険に晒さない境界管理を徹底してください。
詳細解説
個人情報を、単体の項目ではなく組み合わせによる識別可能性として定義するページです。「足し算で考える」という運用に落としています。
くわしく読む
背景と目的
項目ごとの機微さで判断すると、「これくらいなら平気」の積み重ねで識別に至る、という失敗を防ぐことが目標です。学年・地域・部活が揃えば、母集団はきわめて小さくなります。
判断の問いを「これは出してよいか」から「もう何を出したっけ」へ置きかえています。
組み立ての工夫
他人から預かった情報(友だちの名前・写真・話)を同じページに入れました。自分の情報だけを守る話にすると、加害側に立つ経路が見えなくなります。
数えなおす項目を、学年・地域・部活の3つに固定しました。毎回おなじ3つを思い出せば、足し算になっていることに気づけます。
「出してよいか」ではなく「もう何を出したっけ」に問いを変えたのは、前者が1件ごとの判断で、後者が積み上げの点検だからです。個人情報の事故は、1件ごとの判断がすべて正しくても起こります。
補足と注意点
法令上の個人情報の定義には踏みこみません。「だれのことか分からせるもの」という機能的な定義に留めています。