統計グラフは、提示されている数値そのものが正確であっても、軸の設定や比率の取り方によって視覚的印象を自在に操作できます。数値の正しさと、グラフが与える印象の客観性は別問題です。

同じ数字でも、めもりの始まりで見た目が変わる0から始めたグラフ024ほとんど差がない18から始めたグラフ1824急にへったように見えるどちらも 22・21・20・19。数字は変えていない
同じ4つの数字(22・21・20・19)を、2通りのグラフにしたものです。左はめもりを0から、右は18から始めています。数字は1つも変えていません。それでも、右は急にへったように見えます。だからグラフは、形を見る前にめもりを見ます。

グラフを読み解く際は、以下の3要素を機械的に点検します。

  1. 縦軸の起点 ― 0から開始しているか。基底が切断され、微小な差が急激な断崖として誇大表示されていないか
  2. 横軸の期間と間隔 ― 都合の良い局所期間だけが切り取られていないか。目盛間隔が均等であるか
  3. 観測時期と調査対象 ― いつの調査データか。折れ線グラフの「点と点の間」は未観測の推測区間に過ぎない

自身が分析結果を公表する側の倫理として、視覚的グラフと同時に必ず「元データの数値一覧表(テーブル)」を併記するプロトコルを徹底します。読み手自身が独自の検証を行える透明性を担保することが実務の基本です。