ノート 01
星間航海士の手引き
約2分
事実と意見の境界
客観的検証が可能な事実言明と、主観的評価を含む意見言明の厳密な切り分け。両者が複合した言説を分解し、検証可能性の有無を峻別する基準を確立します。
「気温が32度であった」は観測記録と照合することで真偽を一意に判定できます。一方、「過酷な暑さであった」という評価は、観測者の主観的知覚や耐性に依存しており、外部の記録には存在しません。
客観的な検証手続きが存在し、反証可能な言明を事実、主観的な価値判断や感情に依存する言明を意見と定義します。
事実は、あとからたしかめられる文です。意見は、たしかめられない文です。「気温が32度もあって、あぶないくらいあつかった」のように、1つの文に両方が混ざっていることがよくあります。線をひいて分けてみます。
意見言明そのものが不適切なのではありません。重大な判断エラーを招くのは、主観的意見が客観的事実の装いを纏って流通するときです。「多くの利用者が推奨している」という言説は客観的に響きますが、具体的な調査母数やサンプリング条件が明示されていなければ、検証可能性を持ちません。
切り分けの基準は明快です。「反証・検証するための具体的な測定手順を想起できるか」を自問してください。手法が想起できれば事実言明、主観的解釈に留まるなら意見言明です。
詳細解説
事実言明と評価言明の切り分けを扱う基礎ページです。「検証手続きを思い浮かべられるか」という一点を判別基準にしています。
くわしく読む
背景と目的
事実と意見の区別を、内容の重さではなく反証可能性で行えるようにすることが目標です。「どうやってたしかめる?」と自問し、方法が浮かべば事実、浮かばなければ意見、という操作的な定義を渡します。
組み立ての工夫
意見を劣ったものとして扱っていません。「たしかめる相手がちがう」という位置づけにしています。問題は意見の存在ではなく、意見が事実の体裁で流通することです。
1つの文に両方が混在する例(「32度もあって、あぶないくらいあつかった」)を図に入れました。実際の文章では、文単位ではなく句単位で混ざります。
判別の問いを「どうやってたしかめる?」の1つに絞りました。事実か意見かを直接たずねると、内容の重さのほうで答えてしまいます。
補足と注意点
「みんな見ている」のような量化表現を、意見側の例として挙げています。数値を伴わない量化は検証不能であり、きをつけノート24(少ない数で決める)と対になります。