ノート 10
星間航海士の手引き
約2分
人工知能のアーキテクチャと分類
生成モデル、判別モデル、予測モデルなど人工知能の基本体系。各アーキテクチャの得意領域と特有の脆弱性、エラーパターンの構造的違いを分類します。
人工知能(AI)は単一の完成された知能体ではなく、目的・構造・数理モデルに応じた複数アーキテクチャの総称です。実務においては大別して3つの系統に分類されます。
- 生成モデル(Generative Models) ― 文章・画像・音声・コードを統計的に合成する。典型的な誤謬は「存在しない事実を流暢に捏造する(ハルシネーション)」
- 識別・判別モデル(Discriminative Models) ― 画像内の物体検知、文字認識、不正検知。典型的な誤謬は「誤認・誤分類(偽陽性や偽陰性)」
- 予測・最適化モデル(Predictive Models) ― 時系列推移、需要予測、推薦エンジン。典型的な誤謬は「過去のデータ分布にない急激な環境変化(外れ値)への脆弱性」
すべてのモデルに共通する基底原則は、「AIの出力は、学習データセットに含まれるパターンの統計的反映に過ぎない」という事実です。
学習データに偏り(バイアス)や欠落があれば、AIの出力にも不可避的に同一の偏りが投影されます。AIが独自の思想や世界観を持っているのではなく、観測されたデータ分布の偏向がそのまま現れているに過ぎません。
詳細解説
AIを生成・識別・予測の3類型に分け、類型ごとに誤り方が異なることを示します。AIの部(10ページ)の入口にあたります。
くわしく読む
背景と目的
「AI」という一語で括ることをやめ、タスクの型ごとに固有の失敗様式があると理解することが目標です。生成は存在しないものを作り、識別は取り違え、予測は未知の事象に弱い。
あわせて、いずれも事例から作られている以上、事例の偏りが出力の偏りになるという共通性質を扱います。
組み立ての工夫
偏りの例に「はたらいている人」の生成結果を挙げました。「AIがそう考えている」のではなく「見た例にそういう絵が多かった」と、意図ではなくデータの帰結として説明しています。擬人化を避けるための書き分けです。
3類型の順を生成・識別・予測にしたのは、子どもがふれる順だからです。技術としての新しさの順ではありません。
「AIが考えている」という言い方は本文でも避けました。考えるという語を一度でも使うと、そのあとの説明がすべて人格のある相手の話に読めてしまいます。
補足と注意点
技術的な分類(教師あり/なし、深層学習の種別)は使っていません。誤り方から逆算した実用的な3分類です。