調査報告や意思決定において、「AIがこう回答したから」を出典や根拠として提示する行為は、学術的・実務的に一切の妥当性を持ちません。

書籍の特定ページや学術論文のDOIと異なり、対話型AIの出力は固定された原典を持たず、再現性も保証されません。情報評価の基本3要素に照らすと、発信主体は「モデル名」、作成時点は「不明」、発信目的は「不明」となり、検証責任の免責事由にはなり得ないのです。

実務における正しい手続き

  1. AIの出力テキストから、固有名詞(人名・組織名)、年号、定量的数値を抽出する
  2. 抽出した各項目について、公的機関の一次資料や学術文献を個別に検索照合する
  3. 照合が完了した一次資料の側を出典として確定・記載する

AIの利用自体を隠蔽する必要はありません。「初期の調査論点整理にAIを用いた」と実務プロセスを明記した上で、論拠の確定は人間自身が照合した一次資料に置くことが知的誠実さの規範です。