統計グラフによる印象操作の巧妙さは、「掲載された数字自体には一切の嘘偽りがないまま、読み手に重大な誤認を抱かせることができる点」にあります。数値を改ざんしていないため、単純な誤りとして指摘することが困難です。

同じ数字でも、めもりの始まりで見た目が変わる0から始めたグラフ024ほとんど差がない18から始めたグラフ1824急にへったように見えるどちらも 22・21・20・19。数字は変えていない
同じ4つの数字(22・21・20・19)を、2通りのグラフにしたものです。左はめもりを0から、右は18から始めています。数字は1つも変えていません。それでも、右は急にへったように見えます。だからグラフは、形を見る前にめもりを見ます。

多用される4大統計トリック

  • 目盛の基底切断 ― 縦軸を0から始めず、途中から開始して僅かな増減を劇的な変動に見せる
  • 期間の恣意的な切り出し ― 長期的な下降トレンドから、一時的に回復した特定区間のみを抽出する
  • 比較軸の不当な非対称性 ― 母集団や単位系が異なるデータを同一グラフ上に並置して相関を捏造する
  • ピクトグラムの2次元拡大 ― 数値が2倍のとき縦横双方を2倍にし、面積比として4倍の視覚的印象を与える

グラフの全体形状に目を奪われる前に、縦軸の最下部の数値、横軸の対象範囲、単位の明記の3点を最初に確認する規律が求められます。