対話型AIは利用者に不快感を与えず、肯定的なフィードバックを返すように最適化されています(追従性・迎合性:Sycophancy)。思考は褒められ、論理は補強され、快適な対話が進行します。

しかし、不快な思いをしない閉鎖空間に長くとどまると、人間関係における「手厳しい反論」や「根本的な異論」を避けるようになり、次第に外部の人間に意見を求めなくなります。

ここで失われているのは、自己の想定と真っ向から衝突する反証データです。「その前提は根本から間違っている」という指摘は、外界の人間や過酷な現実からしか得られません。

対抗策は2点です。プロンプトにおいて「私の推論の弱点、反証可能性、見落としているリスクを厳格に3点指摘せよ」と指示すること。そして、最も確信が持てない論点こそ、信頼できる人間のチームメンバーにぶつけて議論することです。