ノート 04
事故記録アーカイブ
約1分
母数の隠蔽と数字のトリック
ここに出てくる話は、ぜんぶ作ったお話です。だれかをうたがうためではなく、たしかめるためのページです。
「満足度98%(回答者3名)」「前年比200%(1件から2件へ増)」など、分母となる母数や標本抽出条件を隠蔽して印象を操作する定量的歪曲の手法を解剖します。
提示された測定データそのものに虚偽はありません。データの提示方法と文脈を意図的に操作することで、受け手に誤った印象を誘導する手法が存在します。
定量的歪曲の代表的手口
- 母数(N数)の隠蔽 ― 試行規模を伏せて割合(%)のみを強調する
- 単位の恣意的な選択 ― 印象を操作するために時間軸や金額の単位を換算する
- 比較基準(ベースライン)の操作 ― 最も数値が落ち込んだ過去時点を基準に成長率を演出する
- チェリーピッキング ― 測定した多項目のうち、自己に有利な結果のみを抽出公表する
「食物繊維が従来比2倍」と謳う栄養表記を精査したところ、従来値0.2gから0.4gへの変化であった事例があります。「2倍」という言明は数学的に正確ですが、絶対的な栄養寄与は無視できる水準に留まります。
詳細解説
数値表現による印象操作の4類型(母数の省略・単位の選択・比較対象の選択・部分的な提示)を扱います。
くわしく読む
背景と目的
4類型すべてが「もとは、いくつだったの?」という1つの問いで止まることを示すのが目標です。類型ごとに対処を覚えるのではなく、共通の弱点を突きます。
組み立ての工夫
「2倍の食物せんい」が0.2グラム対0.4グラムだった、という例を置きました。比率は真だが、絶対量が無視できるという形は実際の広告表示で頻出します。
「1日3円」と「1年で1095円」を同じ額として並べました。単位の選択が印象を変えることを、計算せずに見せるためです。
2つの例を、どちらも買い物の場面から取りました。数の話を、算数の問題に見せないためです。
補足と注意点
計算はさせません。どの型も「もとは、いくつだったの?」の一言で止まるところまでが範囲です。
広告や記事に悪意も仮定していません。強調したいところを選ぶのは、ふつうの編集です。省いた条件を書かないことだけを問題にしています。