ノート 34
事故記録アーカイブ
約1分
過度な断定と全称命題の乱用
ここに出てくる話は、ぜんぶ作ったお話です。だれかをうたがうためではなく、たしかめるためのページです。
「絶対に〜である」「例外なく〜だ」と主張を強弁し、調査・観測した射程を不当に超えた言明を拡散させる過謬。主張の適用範囲を厳密に限定する論理的作法を身につけます。
学術報告や実務発表において過度な断定を避けることは、弱気な主張をすることではありません。「観測した条件と調査の範囲を正確に添える」という手続きを踏むだけで、言明の客観的説得力は劇的に向上します。
過剰な断定を招く4大危険語彙が存在します。「絶対に」「全員が」「〜以外にない」「常に」。これらはいずれも「反例が1件も存在しない」ことを意味し、論理的・統計的に極めて破綻しやすい脆弱な言説を形成します。
強い言葉は一見すると伝わりやすいですが、その分だけ誤りであったときの組織的被害も不可逆的に拡大します。
質疑応答において確認の取れていない事象を問われた際は、虚勢を張って強弁するのではなく、「そこは調べられませんでした」と誠実に知識境界を開示することが専門的信頼性を守る唯一の態度です。
詳細解説
断定的な表現の使いすぎを扱います。弱く書けばよいという話ではなく、調べた範囲を添えるという具体的な方法を渡します。
くわしく読む
背景と目的
断定を避けることと、曖昧に書くことは別である、という区別が目標です。「たぶん」を足すのではなく、「3日間、昼休みに数えたところ」と条件を明示します。
言い切らないことと、あいまいに書くことを分けられるのが目標です。前者は範囲をそえる操作、後者は範囲を消す操作で、向きが逆になります。
組み立ての工夫
範囲の明示は、主張を弱めるのではなく正確にする操作です。ふしぎな話 第12話で、質疑に答えられたという形でその利得を描いてあります。
「3日間、昼休みに数えたところ」という一句を、そのまま渡しています。弱める言い方(たぶん・かもしれない)を足す方向と、はっきり分けるためです。
補足と注意点
この巻の最後の「自分がやるワナ」にあたります。他者の断定を批判する道具として使われないよう、自分の記述の点検として書いています。